学校長の部屋

2025.06.13

頭が痛いとき、どうすればいいの?

春の健康診断をきっかけに、多くの生徒さんが「頭が痛い」と悩んでいることがわかりました。特に10〜20代でよくみられる頭痛には、「緊張型頭痛」と「片頭痛(へんずつう)」の2つがあります。

緊張型頭痛とは?

ストレスが原因で起こる、比較的軽い頭痛です。市販の頭痛薬(アセトアミノフェンやNSAIDsなど)を飲めば、たいていすぐに楽になります。

片頭痛とは?

一方、片頭痛はもう少し厄介です。特に10〜40代の女性に多く見られ、軽いものから日常生活が送れないほどの強い痛みまで、症状の幅があります。

片頭痛の前には、次のような「前兆」が出ることがあります:

  • チカチカ・ギラギラした光が見え、視界が一部見えなくなる(閃輝暗点)
  • めまい
  • 言葉が出にくくなる
  • 手足に力が入らなくなる

こうした症状が出たあと、ズキズキとした拍動性の痛みが片側に起こることが多いです。

片頭痛かどうか、チェックしてみましょう

次の3つのうち、2つ以上当てはまれば、片頭痛の可能性が高いとされています。

  • 光がまぶしい(光過敏)
  • 頭痛のせいで勉強や仕事ができない(日常生活の妨げ)
  • 頭痛時に吐き気がある(嘔気)

また、「POUND」と呼ばれる以下の5つの特徴も有名です:

  • P:ズキズキするような痛み(Pulsatile)
  • O:4〜72時間続く(hOurs)
  • U:頭の片側だけに痛みがある(Unilateral)
  • N:吐き気や嘔吐(Nausea)
  • D:日常生活に支障をきたすほどの痛み(Disabling)

このうち4つ以上が当てはまれば、片頭痛の可能性はとても高いです。

頭痛日記をつけてみましょう

診察のときには「頭痛日記」がとても役立ちます。痛みがいつ、どんな状況で起きたかを記録しておくと、診断や予防に役立ちます。

→ 日本頭痛学会「頭痛ダイアリー」:https://www.jhsnet.net/dr_medical_diary.html

片頭痛の原因と対策

片頭痛は、光や音に敏感になり、家族に頭痛持ちの方がいることもあります。実は私も、母親ゆずりの片頭痛持ちです。生理のときや、天気が悪くなる前にも起こりやすく、ストレスやストレスからの解放、寝不足や寝過ぎ、アルコール、チョコレート、チーズなども引き金になります。

そこで大切なのが、次のような生活習慣が大切です:

  • 睡眠は、短すぎても長すぎてもNG。規則正しく。
  • 空腹は避けて、朝食をとりましょう。
  • ストレスはためこまず、うまくリフレッシュを。

薬を使うタイミングは?

頭痛が始まったら、できるだけ早め(できれば1時間以内)に薬を飲みましょう。痛みに我慢していると、薬が効きにくくなります。

アセトアミノフェン(商品名:カロナール®)は副作用が少なく、安全性の高い薬です。成人には1回500mgを使います。効果が出るまでに30分ほどかかりますが、効かないときは1時間後にもう一度500mgを飲んでも構いません。

ただし注意点もあります。週に3日以上、痛み止めを飲む習慣があると、「薬剤の使いすぎ」で逆に頭痛が悪化することがあります。これを「薬剤乱用頭痛」といいます。