病院から車でおよそ40分、北八ヶ岳の静かな山あいに「白駒池（しらこまいけ）」（標高2,115メートル）はひっそりとたたずんでいます。池のまわりには、幾百という苔の種類が息づき、まるで物語の中に迷い込んだような「苔の森」をつくりあげています。

シラビソやコメツガの原生林に包まれた登山道を歩み、高見石まで登れば、眼下には静寂をたたえた池が広がり、心がすっとほどけていくようです。秋には鮮やかな紅葉が彩りを添え、多くの人がその美しさに魅了されますが、夏の澄んだ空気の中を歩くハイキングもまた、格別のひとときをもたらしてくれます。