学校長の部屋

2025.06.22

健康的な食事

生徒のみなさん

毎日の食事は勉強やスポーツのパフォーマンスだけでなく、10年後や20年後の健康に大きな影響を与えます。健康的な食事の基本はとてもシンプルで、「体に良いものを増やし、体に悪いものを減らす」ことです。

健康に良いと科学的に証明されている食べ物は5つあります。「魚」「野菜と果物(ジュースを除く)」「玄米や蕎麦、全粒粉パンなどの茶色い炭水化物」「オリーブオイル」「ナッツ」です。たとえば、昼食に白米の代わりに玄米や雑穀米を選んだり、朝食にナッツ入りのヨーグルトを取り入れたりすると、体にとって良い変化が起きはじめます。

逆に、健康に悪いとされるものもあります。それは「赤い肉(牛肉、豚肉)や加工肉(ハム、ソーセージ)」「白い炭水化物(白米、白いパン、ラーメン)」「飽和脂肪酸(バター、ラード)」です。白い肉(鶏肉)はたんぱく質やビタミン、ミネラルが豊富に含まれていて健康的な食材です。加工肉の摂取は大腸がんのリスクを高めます。

白い炭水化物は体内で急激に血糖値を上げ、インスリンの過剰分泌を招き、脂肪として蓄積されやすくなります。コンビニのパンやインスタントラーメンばかり食べていると、見た目には太っていなくても、体の中では生活習慣病のリスクが高まっていくのです。

注意が必要なのは野菜ジュースやフルーツジュースです。ヘルシーに思えますが、これらには食物繊維が少なく糖分が多いため、むしろ糖尿病のリスクを高める恐れがあります。果物はなるべく「まるごと」食べましょう。リンゴやみかん、バナナなど手軽に食べられる果物を毎日の食事に加えてください。

そして、健康に欠かせないのが塩分のコントロールです。日本人の多くは塩分を摂りすぎており、高血圧の原因になります。加工食品やインスタント食品、漬物、スナック菓子には多くの塩分が含まれているため注意が必要です。代わりに、カリウムを多く含む野菜や果物を食べることで、塩分の排出を助け、血圧のコントロールに役立ちます。

若い皆さんは運動量も多いため、無理な食事制限は逆効果です。必要なエネルギーはしっかりと摂ることが大切です。食品の「質」に注意しましょう。甘いお菓子や清涼飲料水ではなく、魚や鶏肉、豆腐、納豆、ゆで卵などの良質なたんぱく質を意識して摂りましょう。茶色い炭水化物や野菜、果物でビタミンやミネラルを補うことも重要です。

最後に、チョコレートについて触れておきましょう。意外かもしれませんが、カカオ70%以上のダークチョコレートには血圧を下げる効果があることが報告されています。食べすぎは禁物ですが、甘いものが欲しいときには賢い選択肢です。

美味しい食事は人生最高の幸せです。健康によくないものを全て排除する必要はありません。時にはステーキを食べるのもいいでしょう。何を隠そう、私も時々衝動にかられ、ビッグマックとフライポテトを食べに出かけます。

参考図書:津川友介 「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」