学校長の部屋

2025.11.6

薪ストーブ

朝夕の冷え込みが一段と増し、八ヶ岳の峰々にも白い雪が積もりはじめました。薪ストーブに火を入れる季節です。静まり返った夜、薪がはぜる音を聞きながら炎を見つめていると、不思議と心が落ち着きます。炎のゆらめきの中に、暖かさを超えた「いのちのぬくもり」を感じます。

いまからおよそ5000年前、縄文の人々も、この諏訪の地で火を囲みながら暮らしていました。諏訪は当時、日本で最も多くの人が暮らしていた場所のひとつだったようです。夜になると、家族が焚き火を囲み、炎の明かりのもとで大人が子どもに知恵や物語を語り継いでいたことでしょう。炎は、いのちをつなぐ光でもありました。

しかしその時代、感染症などで命を落とす子どもも少なくなかったようです。平均寿命は15歳くらいだったと考えられています。それでも、人々は生きることを喜び、互いを支え合いながら、火のそばで談笑していたに違いありません。その営みの延長線上に、いまの私たちの暮らしと学びがあります。