

患者さんの貧血を確認する時、「アッカンベー」と下まぶたを下げて眼瞼結膜の色を確認することを、看護学生の皆さんは習ったかと思います。でも、どこの部位を見ればよいのか、正しく答えられる人は少ないようです。
下まぶた眼瞼結膜の前部(前部眼瞼結膜 anterior palpebral conjunctiva)と、眼球に接した後部(後部眼瞼結膜 posterior palpebral conjunctiva)の色を比較します(AIM Clinical Cases.2023;2:e230381)。写真とイラストはこの論文からの引用です。
前部眼瞼結膜は血流が豊富なため、通常は赤く見えます。貧血になるとここが最も敏感に白くなります。リンパ球が多い後部眼瞼結膜と同じくらい白ければ、貧血ありと診断します。
しかしながら、感度は10%と大変低いです。これは貧血の人を100人つれてきても、10人しかこの所見が認められないことを意味します。したがって、この所見がなくても貧血はあるかもしれません(J Gen Intern Med. 1997;12:102-6)。
これは寒冷や交感神経の亢進による血管収縮、チアノーゼ、炎症などが色調に影響するためと考えられます(McGee’s Evidence-based Physical Diagnosis 6th ed. p95-98, 2026)。
でも特異度は99%と非常に高いのです。したがって、この所見が確認できれば、99%の確率で貧血であることがわかります。
患者さんの手掌や爪床の色調を、自分の手掌や爪床と比較し、貧血の有無を確認することもできます。手を少し背屈すると、手掌のシワが確認できます。貧血がなければ、シワはくっきり黒色に見えますが、貧血があれば、やや白っぽいシワとなります(感度8%、特異度99%)。