学校長の部屋

2026.08.8

夏休み

いよいよ夏休みが始まりましたね。

看護学生の皆さんは、この夏をどのように過ごす予定でしょうか。

私には、何度訪れても心がほどけるような、お気に入りの場所があります。松本駅から電車やバスに揺られておよそ2時間。少し遠いのですが、その道のりの先には、日常とはまるで違う風景が待っています。

私が初めてそこを訪れたのは20代の頃でした。目の前に広がる景色を見て、「日本にこんなに美しい場所があるのか」と、しばらく言葉を失ったことを今でも覚えています。

その場所は、上高地です。

澄んだ梓川に沿って遊歩道を歩けば、耳に届くのは野鳥のさえずりと、清らかな水の流れる音。ときおり木々の間を抜けてくる涼しい風も、夏の暑さを忘れさせてくれます。

河童橋から明神池までは、ゆっくり歩いて1時間ほど。少し体力に余裕があれば、さらに徳沢まで足を延ばしてみてください。井上靖の小説『氷壁』の舞台にもなった場所です。山と森に囲まれたその風景の中に立つと、物語の世界に迷い込んだような気持ちになります。

私は以前から、「こんなロマンチックな場所でプロポーズされたら、断る女性はいないのではないか」と思っています。

ですから女性の皆さん。もし誰かから突然、「この夏、上高地に行かない?」と誘われたら――少しだけ心の準備をして出かけたほうがよいかもしれません。

長いようで、振り返ればあっという間の夏休みです。

勉強やアルバイトも大切ですが、ときにはスマートフォンをしまい、風の音や水の音に耳を澄ませてみてください。若い日に出会った一つの風景が、何十年たっても心の中に残り続けることがあります。

皆さんにも、この夏、そんな風景との出会いがありますように。

https://www.kamikochi.or.jp/enjoy/walking